全ての人にとって使いやすいウェブサイトとは ウェブアクセシビリティについて考えてみる

2023.12.10Web

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全ての人にとって使いやすいウェブサイトとは ウェブアクセシビリティについて考えてみる

2024年4月に施行となる障害者差別解消法により、これまで民間企業にとって努力義務だったアクセシビリティへの対応が義務化されることになりました。スマートフォンの表示の対応を怠っていたり使いづらいUIのウェブサイトを運用していた企業にとって今回の法改正はウェブアクセシビリティに対する関心を高める機会となったかと思います。これまで以上にアクセシビリティを重視したウェブサイトを運用する必要があり、障がいのある方々や様々な状況の利用者に対して情報の閲覧をしやすいサイトを提供する必要がでてきます。そこで今回はいま話題になりつつあるウェブアクセシビリティについて紹介しようと思います。

ウェブアクセシビリティとは

ウェブアクセシビリティとはインターネット上の情報やサービスがあらゆる人にとって平等かつ容易に利用可能であることを意味し、「アクセシビリティ」という言葉は、Access(近づく、アクセスするの意味)とAbility(能力、できることの意味)から成り立っています。言い換えれば身体的な制約や障がいを持つ人、高齢者、異なる環境下にいる人々がウェブサイトやアプリケーションを効果的に操作し、情報にアクセスできるようにすることを意味します。世間の流れとしてデジタル庁もそのミッションにおいて「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」と掲げウェブアクセシビリティ向上に取り組んでいます。

誰にとっても利用しやすいウェブサイトとは

誰にとっても利用しやすいウェブサイトとは、あらゆる立場や状況の人を考慮して設計されたサイトのことをいいます。例えば、大きなボタンや適切なカラーコントラストを考慮したデザインのサイトは高齢者や視覚障害者などの方が使いやすく、音声コンテンツや動画コンテンツに字幕を入れることで音声が聞こえなくても内容を理解できるようにすることができます。障害の有無や年齢、病気や怪我による制約、環境の影響に関係なく、あらゆる角度の視点でウェブサイトを制作することが求められています。

視覚障害者向けの声読み上げ機能の導入

ウェブサイトに声読み上げ機能を組み込んで、視覚障害者の方が文字情報を聞いて理解できるように工夫する。

簡潔な言葉と図解を用いた分かりやすいコンテンツ

ウェブサイト上の文章は簡潔な言葉を使い、分かりやすい図解やイラストを交えて、幅広い層の利用者に理解しやすくする。

モバイルファーストデザインの採用

スマートフォンやタブレットからのアクセスを考慮し、モバイルファーストデザインを採用して、画面が小さい場合でも使いやすくなるように工夫する。

カラーコントラストの最適化

テキストと背景の色のコントラストを適切に調整し、色覚の異なる利用者や高齢者にもっと見やすくなるようにする。

拡大縮小に対応したレスポンシブデザイン

ウェブページ上のテキストや画像が、ブラウザの機能を使って拡大・縮小できるようにし、視力に制約のある方でも快適に閲覧できるようにする。

数字だけ見るのではなく、いろんな人の視点に立つことが大切

ウェブアクセシビリティの向上にはチェックツールや品質基準などの指標がありますがそれだけにとらわれていてはいけないと思います。ウェブアクセシビリティを行う上で大切な事は何を見て対応をするのかだと思います。指標というのはあくまでも指標であり、優先するべきなのは利用者がどのように感じるかだと思います。チェックツールで問題がなくても実際に使ってみるとわかりにくかったり、使いにくかったりすることはたくさんあります。視覚的な制約を抱えるユーザーに対する対応ができていても聴覚障害者やモバイルユーザーなど他のユーザーの場合は感じ方が違う場合もあります。大切なことは一度作成したら終わりというものではなく、実際に作成したものを利用してもらったり意見を聞いたりして改善を繰り返していく事だと思います。

まとめ

いろんな人の視点にたって物事を考えるということは難しいことだと思います。だからこそ制作者は機械的な対応をするのではなく試行錯誤する必要がでてくるのではないでしょうか?実際に実装してみてリアルな目で体験し考えてみることが求められているのだと思います。世の中にいろんな人がいるからこそ正解というものはひとつではなく限りなくあるのだと思います。ウェブアクセシビリティに必要な事はそういった小さな視点に寄り添うということなのではないでしょうか?