デザイナーは自分を疑うことが大切だと思う

2025.03.30Design

デザイナーは自分を疑うことが大切だと思う

優れたデザインには見た目の美しさだけではなく課題解決力や戦略的思考が求められます。そうしたアウトプットを支えるのがデザイナー自身の「自己検証力」すなわち自分の思考や選択を疑う力です。今回はデザイナーにとって論理的かつ客観的に自分のアウトプットを検証し続けることの大切について紹介しようと思います。

なぜ自分を疑うことが大切なのか?

プロジェクトが複雑化するほどデザインにはさまざまな要素が絡んできます。クライアントの要件やユーザーの行動特性、技術的な制約やビジネス上のゴールなどがある中で正解はひとつではなくたくさんの解決策があります。このような環境下で直感や過去の成功体験だけに頼りプロジェクトを進めるのは大きなリスクを伴います。自分の提案が本当に最適な選択なのか、他により効果的なアプローチはないのかなどそうした問いを持ち続けることで思い込みやバイアスから距離を取り、より客観的に課題と向き合うことができ最善の選択肢をとることができるのではないでしょうか?

自分のアウトプットを一歩引いて見直す

デザイン業務にはスピードも求められますがそれと同時に立ち止まる時間も必要です。手を動かした直後では自分のアウトプットに対する視野が狭くなりがちです。そこで一歩引いてアウトプットを見直すことで意図が反映されているかや過剰な装飾になっていないか、論理的整合性は取れているかなど冷静に判断することができます。また、他者の意見を聞き客観的なコメントを聞くことで自分にはない視点での改善点を見つけることもできます。

過去の自分のデザインを振り返る

自己検証のためには過去のアウトプットを体系的に振り返ることも有効です。過去のアウトプットを観察すると当時気にならなかったが、経験を積むことで気になる部分がでてくる場合もあります。なぜそのようなデザインにしたのかを思い出しながら今の自分ならどうするかを想像することで当時との判断基準の変化に気づくことができます。また逆に技術や知識が未熟だった頃にこそ柔軟で型にはまらない発想があったというケースもあり新鮮な発見になることもあります。自己成長とは常に現在の自分が正しいという前提に立つことではなく、過去の自分もひとつの視点として尊重しいろんな方面から自分を見つめなおす姿勢を持つことだと思います。

まとめ 常に学び続ける姿勢が大切

デザイン業界は変化の激しい職種だと思います。ツールやトレンドだけでなくユーザーのニーズやビジネスの求める成果も常に変化しています。その中で価値を提供し続けるためには常に問い直す力が必要なのだと思います。現在の自分の思考やアウトプットに満足するのではなく定期的に見直す姿勢をもつことで学び続けることができます。自分のかたちを大切にするだけではなく自ら疑問を持ち変化していくデザイナーこそが市場価値を持続的に高めていくためには必要なのではないでしょうか?