相手を知ることでアプローチ方法を考える 提案で使えるソーシャルスタイル理論とは
2023.06.04Marketing
目次
デザインの仕事をしていると提案書を作ったり、プレゼンを行ったりする機会も多いかと思います。もちろん提案を行う場合、誰に向けて行うのかというターゲットが存在する中でアプローチ方法を調べているとソーシャルスタイル理論というものがあることを知りました。今回は提案のアプローチに活用できるソーシャルスタイル理論について紹介しようと思います。
提案やプレゼンを行う上での目的は?
そもそも、提案やプレゼンを行う目的は何でしょうか?それは、クライアントに購買やサービスの利用など実際に行動に移してもらうことだと思います。そこには必ず意思決定者がいるわけで、購買やサービスを利用するための選定基準や見るべきポイントもバラバラだと思います。そんな中でターゲットの特性を知るということはセールスをする上で重要なポイントなのではないでしょうか?
相手を知ることで、効果的なアプローチをする
特性を知ることができたら効果的なアプローチ方法もわかるようになってきます。結論から端的に話せばいいのか、感情に訴えるような話し方がいいのかなど、同じ目的を果たすためでもアプローチの方法は様々です。どの方法を選ぶことが目的の達成に近道なのかを理解することも重要なのではないでしょうか?
ソーシャルスタイル理論を提案で活用する
ソーシャルスタイル理論とは?
ソーシャルスタイル理論とは、1968年に米産業心理学者が提唱したコミュニケーション理論のことです。人の言動を4つのスタイルに分け、相手の性格を知り好むコミュニケーションスタイル理論を理解することで相手に合ったやりとりが可能になります。
自分と性格や考え方の合う人とのコミュニケーションは上手くいくかと思いますが、自分の性格の合わない人の言動を理解することで、より多くのタイプの人とのコミュニケーションが円滑に進めることができます。では、どのような分類をすることができるのでしょうか?
4つのスタイルタイプ
ドライバータイプ(前進型・行動派)
性格・特徴
目標志向、意志力、決断力、リーダーシップ、競争意識、自己主張
ドライバータイプは目標志向的で意志力と決断力に優れ、自己主張とリーダーシップが高いタイプといえます。具体的な目標に向かって努力し迅速な判断と行動を特徴とし、自分の意見をはっきりと述べ他の人をリードします。その反面、人に指示をされたり、命令口調で話しかけられることを嫌がります。人との衝突もありますが、自分の軸をしっかりともっています。
望まれるコミュニケーション
ドライバータイプは、直接的かつ明確なコミュニケーションを好みます。要点を絞って話すことを好み、結果や目標に焦点を当てた会話を望みます。具体的な目標や成果に興味を持ち早い段階での決断と行動を重視し、議論や迷いに時間を費やすよりも前進することを好みます。また、論理的思考と分析的なアプローチに基づいた意思決定を重視し、感情や主観的な要素にはあまり重きを置きません。
エクスプレシッブタイプ(直感型・感覚派)
性格・特徴
感受性、情熱、社交性、コミュニケーション、創造性、アイデア、個性
エクスプレシッブタイプは感情を豊かに表現し、情熱的な性格のタイプです。彼らは社交的でコミュニケーション能力に優れ、活発な会話や交流を楽しむ傾向があります。自分の気持ちや意見をしっかり伝えることができ、自らリードすることも得意です。創造性が豊かで自分の考えや感じたことを率直に表現し、新しいアイデアを提案します。彼らは個性を大切にし自己表現に積極的であり、他の人とは異なる存在感を持つことを好みます。その反面、感受性が高く周囲の環境や他の人の影響を受けやすいため、感情や意見が変化することがあります。
望まれるコミュニケーション
エクスプレシッブタイプは感情と情熱を率直に表現し、活発な会話を通じて意見やアイデアを交換することを好みます。創造的なアイデアを自由に発信し、他の人と共感や感情の共有を重視します。コミュニケーションを通じてつながりを深め、豊かな意思疎通を追求します。
エミアブルタイプ(温和型・協調派)
性格・特徴
思いやり、和やか、協調性、グループ思考、ポジティブ、平和
エミアブルタイプの人は社交的で協調性があり、他の人との関係を大切にするタイプです。彼らは優れた対人スキルを持ち、思いやりを持って他人と接しコミュニケーションを円滑に進めます。争いや衝突を避ける傾向があり、和やかな雰囲気を好みます。また、彼らは好意的な態度で協力的な姿勢で問題や課題に向き合います。和やかな雰囲気を創り出し笑顔や褒め言葉を通じて周囲をリラックスさせるのが得意です。その反面、自分の意見を強く主張したり争いをすることが苦手で、厳しいノルマや数字での明確な目標を課せられることが苦手です。
望まれるコミュニケーション
エミアブルタイプの人は対話と共有を重視し、他の人とのつながりを築くことに喜びを感じます。彼らは自分の考えや感情を率直に表現し、他人の意見や経験に興味を持ちます。また共感と思いやりの気持ちを持ち相手の立場や感情を理解し、良好な関係を築くために励ましや支援を提供します。彼らは受容と協力の姿勢を持ち、相手の意見やアイデアを尊重し、協力して問題解決に取り組みます。
アナリティカルタイプ(分析型・思考派)
性格・特徴
論理的思考、分析力、注意深さ、客観性、冷静、計画性、戦略性、批判的
アナリティカルタイプの人は論理的思考と分析力に優れ、冷静で注意深い思考のタイプです。彼らは客観的で冷静な判断をし計画的かつ戦略的なアプローチを取ります。また、批判的思考能力を持ち情報や主張を慎重に評価します。彼らの分析は正確で客観的な判断を下すため、感情に左右されず冷静に問題に取り組みます。アナリティカルタイプの人はリスクを最小限に抑えるために慎重な意思決定を行い、長期的な視野で計画を立てます。その反面、いきなり話をするのが苦手で人からは慎重・真面目といわれることもあります。
望まれるコミュニケーション
アナリティカルタイプは論理的思考を重視し、情報の分析と論理的な説明によった議論を好みます。彼らは正確な情報を重要視し具体的で明確なデータや事実を基に話を進めます。また疑問や矛盾点があれば明確にし要約や結論の整理を通じて共通理解を求めます。
まとめ
お仕事をしているといろんなタイプのクライアントがいるかと思います。提案やプレゼンだけでなく、両者が心地よく物事をスムーズに進める為にも相手の性格や好むコミュニケーションスタイルを理解することは大切なのではないでしょうか?自分の意見を主張するのが目的ではなく、成果に向けてコミュニケーションがとれるよう心がける必要もあるのではないでしょうか?