そのデザインは顧客の何を変えたのかを考えることの大切さ
2025.12.07Design

デザインの現場にいると会話の中でリニューアルしてかっこよくなったや、今風になった、きれいにまとまったといった言葉を耳にする機会があります。ただそれだけだとクライアントにとっての本質的な価値を十分に伝えているとは言えません。今回はそのデザインは顧客の何を変えたのかを考えることの重要性について紹介しようと思います。
デザインに求められることはなにか?
デザイナー同士での会話の中では完成したビジュアルの印象が評価の中心になりがちですが、デザインの本来の役割は見た目を整えることではないかと思います。デザインは課題を解決するための手段であり、成果は完成した瞬間ではなく実際に使われた後に表れるのかと思います。だからこそ制作会社として向き合うべきなのは、何を作ったのかではなく、その結果として顧客にどのような変化が起きたのかという視点だと思います。この問いを持つかどうかでデザインに対する姿勢そのものが変わってくるのではないでしょうか?
顧客の変化を分解して考える視点
デザインによる成果を考える際には顧客にどんな変化が起きたのかをいくつかの観点に分けて整理すると捉えやすくなるかと思います。
行動の変化
まず一つ目は行動の変化です。デザインによって導線が整理されユーザーが迷わず次のアクションに進めるようになったかどうかは成果を測る上で分かりやすい指標です。問い合わせや購入といった具体的な行動だけでなくサイト内での回遊や滞在の仕方にも変化が表れます。
認識の変化
二つ目は認識の変化です。サービス内容や企業の強みが正しく理解されるようになったか、これまで誤解されていた点が解消されたかといった変化は数字には表れにくいものの非常に重要かと思います。情報設計や表現の整理によってユーザーの理解度は大きく左右されます。
感情の変化
三つ目は感情の変化です。Webサイトを見たときに感じる不安が軽減されたり、信頼感や安心感が生まれたりすることでユーザーの意思決定は後押しされます。色使いや写真、全体のトーンといった要素はこうした感情面に大きな影響を与えます。
制作プロセスで変化をどう設計するか
顧客の行動の変化はデザインの完成後に偶然起こるものではなく制作の初期段階から意図的に設計していく必要があります。そのためにはデザインに入る前の課題の認識や問いの立て方が重要になります。誰に向けて、どのような状態に変えたいのか、最終的にどんな行動や意識を持ってほしいのかを明確にしておくことが重要で、クライアントの要望をそのまま形にするのではなくユーザー視点で課題を捉え直し、情報設計や画面構成、表現方法へと落とし込んでいくことが大切です。このプロセスを丁寧に行うことでデザインは単なる見た目の調整ではなく、変化を生み出すための設計として機能するのだと思います。
まとめ
顧客の何を変えたのかという視点を持つことは提案段階での説明が具体的になったり、デザインの意図や価値を言葉で伝えやすくなります。また、成果を言語化できるため実績として蓄積しやすくなり価格以外の軸で価値を伝えることも可能になります。その結果、単なる制作業者としてではなく課題解決に向き合うパートナーとしての立場を築きやすくなるのだと思います。顧客の何を変えたのかという問いを持ち続けることが、より良いデザインにつながっていくのではないでしょうか?






