AI時代。周りに流されない、デザイナーが持つべきもうひとつの視点。

2026.09.06Design

目次

AI時代。周りに流されない、デザイナーが持つべきもうひとつの視点。

AIによってデザインのアイデアやワイヤーフレームを簡単につくれるようになり、Web制作ではさまざまな提案や答えがスピーディーに出てくるようになりました。一方で用意された答えをそのまま受け入れるのではなく本当にこれでいいのかと自分自身で考えることもデザイナーにとって大切です。今回はデザインをしているときに感じるなんか違うという違和感をそのままにせず自分なりに考えより良いデザインにつなげていくための考え方について紹介しようと思います。

なんか違うをそのままにしない

Web サイト制作ではAI活用する機会も増え、AI を使えばワイヤーフレームをつくることができ、デザインの方向性まで提案してくれるようになりました。ディレクターからはページの構成や見せ方について具体的な指示があり、クライアントからもこんなデザインにしたい、このサイトのようにしたいと明確な要望が出てくるなどWeb制作の現場では以前よりもこうしたいという答えが最初から用意されている場面が増えたように思います。AIを活用することで制作を効率化できたり自分だけでは思いつかなかったアイデアに出会えたりすることもありますし、ディレクターやクライアントからの具体的な指示も制作を進めるうえで大切な材料です。

一方で目の前にある答えをそのまま正解として受け取っていいかという疑問もあります。見た目はきれいなのになぜかしっくりこない。構成も整っていて言われた通りにつくれているのになんとなく違和感がある。そんな経験はデザインをしているときに誰しも一度はあるのではないでしょうか?たとえばAIがつくったデザインが整っていても本当にユーザーにとって使いやすいのかや、クライアントの要望通りにデザインしていてもその先にいるユーザーにきちんと情報が伝わるのかなど、指示通りに進めることが本当にWebサイトの目的につながっているのかと考えたときに生まれるなんか違うという感覚は無視せずに一度立ち止まって考えてみることが大切だと思います。もちろん違和感を覚えたからといってその案が間違っているとは限りませんし、自分の好みと目的に合ったデザインも別の話です。だからこそ大切なのはなんか違うと感じたところで終わらせるのではなく、なぜそう感じたのかを自分なりに考えてみることなのだと思います。

なんか違うをなぜ違うに変える

なんとなく見づらい、こっちのほうがいい気がするという感覚だけでは仕事として相手に伝えることは難しいかもしれませんが、たとえばこの配置だとユーザーが最初に見てほしい情報に気づきにくいのでこちらの順番にしたほうが伝わりやすいと思いますと言葉にできればそれはデザインについての具体的な提案になります。自分が感じた違和感についてなぜそう思ったのか、誰にとって良いのか、Webサイトの目的に合っているのか、別の方法はないのかと考えていくことで自分はこっちのほうが好きという個人的な好みからこの目的ならこちらのほうが適しているというデザイン上の判断へと変えていくことができます。周りに流されないというのは何でも反対することではなくディレクターの意見を否定することでもクライアントの要望を聞かないことでもAIの提案を使わないことでもありません。相手の意見やAIの提案を一度受け止めたうえで自分の目で見て自分の頭で考え、そのうえで私はこう思いますと理由を持って伝えることがデザイナーとして持っておきたい姿勢なのだと思います。

違うと思ったらより良いほうへ動く

そして、考えたことを伝えるだけで終わらせないことも大切です。このデザインは違うと思いますと言うのであれば、ではどうしたらもっと良くなるのかまで考え別案をつくったり情報の順番を変えてみたり、参考になる事例を探したり、ユーザーの視点から見直したり必要であれば実際にデザインをつくって比較してみたりと自分がより良いと思う方向へ実際に動いてみることが大切です。そうすることで単に反対する人ではなくより良いものを提案する人になれるのだと思います。デザイナーの仕事とは与えられたものをきれいに形にすることだけではなく、目的に対して本当にこの方法でいいのかを考え、必要であれば別の可能性を探してそれを形にし伝えるところまで含まれているのだと思います。

AI時代だからこそ選ぶ力が必要になる

AIはこれからもますます多くのことができるようになるかと思います。ワイヤーフレームをつくることもレイアウトを考えることも配色を提案することも、さまざまなデザイン案を短時間で出すことも今よりもっと簡単になるかもしれません。だからこそこれからのデザイナーに必要なのはつくる力だけではなく、何を選ぶのか、何を選ばないのか、本当にこれでいいのかと出てきた答えを自分の視点で判断する力なのだと思います。AIが出した案もディレクターの指示もクライアントの要望もすべて大切な材料ですが、それらをどう組み合わせ誰に何を届けるためにどんな形にするのかを考えるのはデザイナー自身です。なんか違うと感じたときにまず一度立ち止まってなぜそう感じたのかを考えて具体化する。その積み重ねがデザイナーとしての判断力につながっていくのだと思います。

まとめ

周りに流されないということは自分の意見を押し通すことではなく、さまざまな意見を受け止めたうえで自分の判断に責任を持つことです。簡単に形にできる時代だからこそ本当にこれでいいのかと一度立ち止まり自分の目で考え自分の言葉で伝えて、より良いものを作るために動くことがこれからのデザイナーにとってますます重要になっていくのではないでしょうか?