「コーポレートアイデンティティ戦略」を読んで、CIについて考えてみた

2020.11.08Design

目次

「コーポレートアイデンティティ戦略」を読んで、CIについて考えてみた

「コーポレートアイデンティティ戦略」を読み、企業としてのロゴマーク に対する考え方・捉え方がとても参考になったので、コーポレートアイデンティティ(CI)の重要性について紹介しようと思います。

コーポレートアイデンティティ(CI)とは

コーポレートアイデンティティ(CI)とは「企業の自己同一性」という意味で、企業の特徴・イメージを明確にし、イメージの統一を図ることで市場にて優位性を獲得するための企業戦略の事をいいます。

コーポレートアイデンティティとは、ただ単にロゴマークの事を表しているのではなく、企業名からロゴマーク、コーポレートカラー、スローガンなど様々な要素によってできています。

コーポレートアイデンティティの要素
・企業名
・ブランド名
・ロゴマーク
・コーポレートカラー
・ビション
・コンセプトメッセージ

ロゴマークとは単なる企業のマークではない

企業の思いを以心伝心で伝える視覚コミュニケーションの最重要要素であり、社屋や名刺に用いられることはもちろん、企業の商品、サービスをはじめ、あらゆる企業活動で表示される中心的なシンボルです。企業の思想、理念、将来像などを凝縮し得た物が理想で、社内的には、将来に向けて社員を団結させ、同じ方向に向けるマネジメント・ツールにもなりますし、顧客や取引先とのコミュニケーションをはかるという点では、マーケティング・ツールの一つでもあります。

「コーポレートアイデンティティ戦略」より引用

上記の通りコーポレートアイデンティティ(CI)とは、マークだけの事を表すのではなく、社員に向け、顧客に向けて私たちが何者であるか、どうゆう企業へと進んでいくのかを明確にし提示することで、社員、顧客へのコミュニケーションを有効的に進めるという大きなものを踏まえているのです。

コーポレートアイデンティティ(CI)を作る上で大切なこと

コーポレートアイデンティティ(CI)を企業そのものを表します。その為制作する上で、その企業の事を誰よりも理解しておかなければなりません。創業から企業の歴史、社風や企業としての強み・弱みなどを基に、どういう方向性でいくのかを決め、会社としての指針を作っていく必要があります。

様々なツールに使用されることを想定する

また、コーポレートアイデンティティ(CI)を作る上で注意することとして、様々なツールで使用されることを考えておかなければなりません。長期的に利用することを考え、名刺などの小さいサイズやモノクロ印刷、正方形や横長のレイアウトしか入らない場合などを想定し制作する必要があります。

デザインは好き・嫌いで判断してはいけない

私は、「好き・嫌い」と「良い・悪い」を分けて考えてほしいと言っています。多くの場合、人が「こちらが良い」というのは、通常、個人的に「私はこちらが好きだ」と言っているのと同義があるからです。これでは正しい判断はできません。「自分個人としてはこちらが好きだが、企業やビジネスにとっては本当はどちらが良い」という発想ができないと、適確な判断はできないのです。また、全員が希望を言い合っていいとこ取りをした妥協折衷案は、インパクトが弱く、良いものになりません。

「コーポレートアイデンティティ戦略」より引用

よくデザインの仕事をしていると物事を担当の方の好き嫌いで判断されることがよくあります。これは、コーポレートアイデンティティ(CI)を作る上だけでなく、物事を判断する上で注意しなければいけなことであると思います。自分の感情や思いつきで物事を判断するのではなく、市場・マーケティングを考えた広い視野を持って判断しないと、制作する側も迷いが出て、まとまりのない物が出来上がってしまいます。

まとめ

「コーポレートアイデンティティ戦略」では基本概念を基に参考事例をベースに分かりやすく説明されていました。企業の顔とも言えるロゴマーク。マークとして捉えるのではなく、企業の意思統一やどういう将来を描くのかなど、見えない部分にこそ重要な事があるのだと考えさせられました。